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横須賀市立うわまち病院の移転 その1

(1)衝撃的な発表

2018年8月21日、横須賀市の中心部に位置する上町地区を震撼させるニュースが横須賀市から発信されました。

3年に及ぶ病院建て替えの諮問機関の検討の結果、2018年3月には現地建て替えの答申が出されたのに、5か月後の8月20日に市の最高意思決定機関の「企画調整会議」にて移転建替えが決定し、翌日に上地市長のパフォーマンスともいえる記者発表となり、まさに寝耳に水ともいえる電撃的な発表でした。 税務署、地方裁判所の移転に次ぐ移転発表により、上町地区の経済の地盤沈下もはや避けられない状況となりました。

(2)移転決定に至った理由

1、進入路の要件から開発行為の同意が得られない。   
都市計画法上の開発行為の許可を得るため、現状の5.5mの進入路幅を9m以上に広げなければならないが、地権者の理解を得て道路が完成するま でに10年程度の時間がかかる。

2、土砂災害特別警戒区域の指定が見込まれること。
敷地内に土砂災害防止法の「土砂災害警戒区域(イエローゾーン)」に指定されていて、いずれ県から「土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)に指定されるため。

この2点を「錦の御旗」として、市は上町の10町内と3つの商店会に同じ説明会を繰り返し行いました。 また、この時点においては移転先も未定との説明を受け、市の担当者としてもこの様な移転先も決まらないまま住民に説明するのは初めてであったそうで、市長の意向を忖度しての先に不安が残る説明会でした。 そして、説明を繰り返して住民の意見や質問に答える中で、さまざまな矛 盾点が露見してきました。

(3)地元住民の声に崩された市の「言い訳のための説明」の数々

その1:進入路の拡幅 

【市健康部の説明】
現状5.5mの進入路を9m以上に広げなければならないが、地権者の理解を得て道路が完成するまでに10年程度の時間がかかる。

【住民の声(地権者のコメント)】
進入路の拡幅工事の話は都市計画道路として40以上前からあるのにも関わらず、1度たりとも用地取得の打診はなく、すでにセットバックしている世帯が大半で用地取得に同意している状況で工事に10年はかからない。

【得られた仮説】
市は道路拡幅のための用地取得は地権者の理解を得ることが困難と思い込み、これまで打診をする努力を怠っていた市の怠慢。


その2:住民の声に対抗する説明の変更

【住民の声(地権者のコメント)】
9mなら用地取得に応じる。

【市土木部の説明】
拡幅は9mではなく都市計画上の「上町坂本線」の都市計画道路として15mであれば国から補助金が下りるので、土木部は15mで考えている。

【得られた仮説】
住民の声に対抗するための説明として、現在では用地取得の実現困難な約50年前に作成した夢物語のような計画を盾に、補助金欲しさに正当化している。

その3:10年という拡幅工事期間

【住民の声】
用地取得に応じる前提では、工事期間は短くなるのではないか。

【市土木部の説明】
地権者への事業の説明から契約の締結まで2~3年、160mの進入路の拡幅工事に2~3年を要する。

【得られた仮説】
事業説明から工事完了まで最低で4年、最大で6年で拡幅工事が完了することが土木部の説明で判明した。10年というのは、地権者が用地取得になかなか応じない状況を想定した、土木部としての一般的な「ものさし」であり、地権者への意識調査という手間を省いた「ものさし」で、市長の移転決定に資する判断材料にあてた。


横須賀市立うわまち病院の移転 その2に続く
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プロフィール

盛田たけし

Author:盛田たけし
地域の役立ちたいという思いから町内会の防災部長として地域の防災意識を高める活動や市立うわまち病院の地域医療のサービスのあり方を考える諮問委員として、病院と地元をつなぐ役割を担っている。

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