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海洋都市構想?

横須賀に長年住んでいると、今まで何気ない風景が妙に映るところがあります。



「海洋都市構想」という開発の中で安浦の埋め立て地が1988年に竣工、平成町という名のその名前が元号を模したものか、そうでないのか、名称決定時にもその「決定が早すぎる」と地元の陳情があったそうです。

そこから30年経っても横須賀は同じようなことをしています。
人は進歩しないのか、今回のうわまち病院移転も同じ事が繰り返されています。

そもそも地域の発展には臨海部の開発が必要不可欠とされ、住工混在の住環境の解消と大企業誘致を行ったのですが、そのもくろみは大きく外れたと言えるでしょう。
現在でこそ県立福祉大学やショッピングセンターが建ち並び、巨大なマンション群がその周辺にそびえ立っています。

これのどこが海洋都市なのだろうという突っ込みは野暮な話しでしょうか。

私は幼少期から高校卒業まで下町の日の出町で育ちましたので、横須賀新港の埋め立て工事は子供心に着工から完成まで、新しい陸地が出来るのを日常に感じ、海洋都市構想への変貌を目の当たりにしていました。(当時、埋め立て工事中の横須賀新港は日の出町に住む子供たちの格好の遊び場でした)

横須賀新港が完成してからは、港は日産自動車の輸出用の自動車で埋め尽くされて、その車を運ぶ自動車運搬船が入れ代わり立ち代わり停泊していたのを今でも覚えています。
その駐車場の跡地へ平成の後期に、警察署、救急医療センター、そして税務署や裁判所も移転しました。
広い埋め立て地を作ったので、なにかに活用せざるを得なかったというのが実情なのでは無いかと思ってしまいます。

そして東日本震災を体験した後、我々の認識は一変しました。
埋め立て地域は大きな地震があると液状化する。そして、人がなすすべも無い津波被害があるのだということを誰もが知ることになりました。



もし、東日本震災の津波被害を目の当たりにした後だったら、これらの移転計画は進められただろうか?
海洋都市構想とは海に沈める街作りでは無いはずです。

港のそばの生活区域は元々が山の高台に作られ、津波や高潮などの被害を受けないところに人々が住んでいたのは、先人の暮らしの知恵であったのは言うまでもなく、科学や技術が進歩したからといって自然に抗うことが出来ていないのが現状です。


東日本の津波震災地域のいくつかは、高台移転という少々の不便さを受け入れて新たな街作りを選択しています。

地震、崖崩れ、津波、台風、高潮、大雨。
結局は自然が猛威を振るうと、どんなに言い訳をしようが、お願いをしようが
自然は人々の言葉を聞くことは無いのです。
ひとたび自然が猛威を振るえば、人はなすすべがない事はこの数十年の間にいやと言うほど思い知らされているのではないでしょうか。



冒頭に書いた「横須賀に住んでいると何気ない風景が奇異に映るところがある。」
それは埋め立て地が開発され、人が住んでいなかったところに新しい街が作られて来てそれ以前の風景を知っている世代には、その光景が不思議に映ると言う事に起因しているとは思いますが、しかしその新しい街が新しい現在の横須賀を作っているのも事実です。

企業誘致を見越したが思うように集まらず、そこでマンション群を作り、東京や他県からの移住を見越したが結局は市内の住民異動が多くなり、高台や谷戸地域の住民減少が起こっています。

便利の良い生活を否定するつもりはないし、歳を取ると山坂に暮らすのは厳しくなるというのは事実です。

我々が住んでいる横須賀市は半島であり、山坂が多く海に囲まれているのです。


この地域の便利さと安全というのは相反するのかも知れません。
だからといって暮らしにくい住環境を我慢するのも違うことだと思います。

地震、津波、台風、高潮、大雨。自然のファクターはすでに我々は体験しています。

そこをどう折り合いを付けるか、出来る事と出来ないことにきちんと向き合うことで防災や住環境を考えねばならない時期に来ているといえるのではないでしょうか。

少なくとも我々は各地に起こった災害を教訓とし智慧を働かせることで、
次の世代の人たちに未来を手渡すことが必要なのだと思います。


防災計画の見直しや将来のための提案など、私はそういうことに真摯に向き合って行きたいと思います。

50年100年先に来るかも知れないことを今心配しても仕方ない・・・
少なくとも行政や政治家が、けっして言ってはいけない言葉だと私は思います。


そう言った側から未曾有の大災害が起こって、人々の暮らしや人生が変わってしまっているのだから。
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プロフィール

盛田たけし

Author:盛田たけし
地域の役立ちたいという思いから町内会の防災部長として地域の防災意識を高める活動や市立うわまち病院の地域医療のサービスのあり方を考える諮問委員として、病院と地元をつなぐ役割を担っている。

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